6/25は百合の日!!綿矢りさ『生のみ生のままで』を読んだ!!

皆様、ごきげんよう!!

シィータソルトです!!
昨日は百合の日でしたが、(本当は、この記事も昨日に上げたかったのですが、群発頭痛の発作で寝込んでいて仕上げることができませんでした)毎年、百合作品を投稿している私ですが、7月から始まる、pixivの百合文芸に全振りしているので2024年はなしです!!もし、私の百合作品に期待をされていた方がいらっしゃったとしたらこの場でお詫び申し上げます。

 

今回は、綿矢りさ先生著『生のみ生のままで』の感想を書いていこうと思います!!

実は、1年前に図書館で借りて読んだのですが、その時は統合失調症の認知機能の低下がひどくて面白かったのに上手く言語化できない……という状態だったので、また、

期間を置いてから読もうと思ったら1年経ってしまいました。

実はこの本、ご無沙汰しております、ぺんたん (id:senninlife)さんにオススメされて百合かも?と言われてたので、百合スキーな私は是非、読みたいと思い図書館を検索したら、人気だったのかしばらく待ってから借りたのを覚えてます。

www.senninlife.com

2回目である今回はすんなり借りられましたね。ブームが去ったのでしょうか。

そういえば、今回、一緒にぺんたんさんもご覧になられたという『蹴りたい背中』も借りて読了しました。後日、感想書きたいと思います。

 

では、本題に入って、『生のみ生のままで』の感想を書いていこうと思います!!

私は感想書くと、ネタバレもしてしまうので、これから読もうという方は、ブラウザバック!!で好きなことしてくださいw

まず、タイトルである、『生のみ生のままで』私は最初、なまのみなまのままでと読みましたwww

違いました。着の身着のままをもじった、『生のみ生のままで』だったのです。

 着の身着のままの意味とは……

いま着ている着物以外は何も持っていないこと。

dictionary.goo.ne.jp

確かに、2人の心情のぶつかり合いは、赤裸々の状態のようであった。作者によると、いつもは執筆中にタイトルが浮かぶそうですが、今回はタイトルから決まって、そこへ向けて書きだしているそうです。(下記引用のインタビュー記事より)
私も物書きの端くれですが、いつもタイトルから決めてそこへ向けて書いています。
だけど、たまに情景から浮かんで、タイトルを後からつけるという場合もあるので、小説の書き方も色々だなと思います。

 

集英社文庫から公式PVも出ていますよ~。

www.youtube.com

語り手でもある主人公、南里逢衣(あい)は、高校時代には憧れの先輩だった丸山颯(そう)とつき合って二年。お盆休みにふたりで出かけた旅行先で、荘田彩夏(さいか)と出会います。彩夏は颯の幼なじみの中西琢磨(たくま)が連れていた恋人です。その偶然が、彼女たちの運命を大きく変えることになりますね。

そう、最初は、男女同士のカップルだったのです。だけど、彩夏と逢衣の海水浴してからの雷からの避難中の2人きりの会話や抱き合い、雷からの避難の仕方で、2人の距離は縮まっていきます。

2人の距離を縮めてくれたおかげで、逢衣は4人で過ごす残りの時間を楽しく過ごしました。そして、東京に帰る朝、逢衣は彩夏からアドレスを書いた紙を手渡されたものの「この場で連絡先登録して」と言われる。

東京に戻った逢衣と彩夏は、2人で遊ぶようになった。東京では、食事をし、カラオケを共にした。この時の選曲が彩夏が逢衣に愛を伝えているように感じました。

携帯ショップで働く逢衣は、クレームをつける長津という客に執拗に絡まれ、寿退社したいなと思っている。前に彩夏に話した時は「そんなことで辞めるなんて馬鹿らしくない?」と言われ、恋人である颯からは「早く辞めてしまえばいいよ。俺が稼ぐから」と言われる。ある時、変装した彩夏が逢衣の職場に現れ、長津を追い出す。さらに、彩夏は、逢衣の携帯ショップの携帯に新規契約もした。逢衣は初期設定にお礼を込めて最大限のサービスをした。

そして、休日に颯が逢衣の実家に同棲していると挨拶しに行った時、琢磨から連絡があり、彩夏に振られたと聞いて驚く。同棲部屋へ琢磨を招待して、話を聞くと、その理由は、「好きな人ができた」から。

彩夏から何も聞いていなかった逢衣は、彩夏に会い、真相を聞こうとしたのだが、そこで、逢衣にとって全く予期せぬ出来事が起きた。

顔を上げた彩夏の瞳が廊下からの僅かな明かりに照らされて、乱れた髪の隙間から私を見つめた。恐いくらいに真剣な表情の意味が分からず、思わず顔を覗きこむ。

腕を伸ばし私の後ろ首をを掴んだ彩夏が急に私に覆いかぶさってきて、短く息を吸い込んだあと唇を私の唇に強く押しつけた。

あまりにも引用すると長くなるので、ここら辺にしておきますが、舌まで絡ませてしまうほど、彩夏は逢衣にキスをしたのです。そう、気持ちが抑えきれなくなったから。

一目惚れをしてしまったのです。

「私は逢衣を友達なんて思ったことなかった、最初からずっと好きだった」

だが、逢衣は、彩夏の家を飛び出し、そのあとの一緒に遊びに行く約束を白紙にしてしまったのです。

そのせいで、彩夏は鬱病っぽくなってしまったことを、黙認していたマネージャー経由で琢磨から知らされる。

そこで、逢衣は電話をかけると、恋している状態の女の声で返事する彩夏。だが、この時点では、甘えているんじゃないのと上手く励ますこともできず、電話を切ってしまう。

逢衣への想いを抑えきれなくなった彩夏が、とうとう行動に出たのだ。しかし、逢衣にとって、彩夏は、あくまでも友達。

 

「いままでは男と付き合ってきたけど、自分が本当に好きなのは女だって、初めて気づいたっていうこと?」という逢衣からの問いかけに、彩夏は、こう答える。

 

「違う。男も女も関係ない。逢衣だから好き。ただ存在してるだけで、逢衣は私の特別な人になっちゃったの。逢衣に会うまで女の人なんてむしろ嫌いなくらいだったよ、どんな魅力的な女の子でもライバルとしか思えなかったし女友達もほとんどいない。でも逢衣だけは性別を超えて、特別の格別の存在として私の目に入ってきた」

 

これを聞いた逢衣が、「私は女の人は好きにはなれないよ」と言うと、彩夏は、「女の人を好きになれなくてもいいよ。私さえ好きになってくれれば」と言うのだった。

そして、逢衣はその言葉通り、女の人ではなく、彩夏を好きになっていく。

その後は、逢衣も颯と別れることになり、同棲を解消。逢衣は、彩夏の事務所が借りているマンションで彩夏と暮らすことになり、逢衣と彩夏の幸せな時間がずっと続けばいいと思っていたが、二人の仲を引き裂く出来事が起きてしまう。なんと、イチャついているところをリークされてしまったのだ。

上下巻と分かれているのですが、上を要約するとこんな感じですね。

そして、下巻では、リークしたと思われる彩夏の後輩に詰め寄るところから始まる。

彩夏の事務所からは、リークは揉み消されたものの、それにかかった費用を稼ぐこと、それまで2人は会わないことを条件に2人はしばらく会わない決断をした。

7年の時が経ち、颯と琢磨は結婚し、子供も産まれている。

一方、彩夏は線維筋痛症の疑いがあると、仕事ができなくなってしまう。

その間、逢衣は出版社での仕事を張り切っていた。それも、彩夏が紹介してくれたおかげだからである。

やっと、2人は再会し、元のマンションへ引っ越すと思い出が蘇ってくる。だが、2人の仲はギクシャクしていた。病気の面、お金の面で……。

あんなに、激しく求めあっていたのに、今では、触れられるのも痛いとする彩夏に触れることを躊躇う逢衣。だけど、7年間会えなかったことは無駄ではなかった。2人の絆を強めるものでもあった。最初は懐疑の念で信用できなかった彩夏も逢衣の別れる前の「愛している」の言葉に段々と昔の感情を取り戻していく。さらに病状も良くなっていく。

紆余曲折を経て、2人はプロポーズをし合い、神前式を自然の神様の前で行う。

誓いの言葉は、2人を見守る風、空、海が永遠の証人となった。

 

いやぁ、それにしても、性描写が緻密で繊細で、え、作者さん、女の人とそういった関係になったことあります?というくらい、エロティック……!!!!!赤面しちゃうほど……(シィータソルトはキスシーンを見ただけで赤面するほどの純情さがある。自分で言うな!百合小説の物書きの癖に!!)

さらに思ったのが、いや、男同士も仲良いし、男同士もくっつけば?(私に腐女子要素はないがそう思う程、幼馴染以上の仲のような気がする)と思ったが、普通に良い男性だったんだよな2人共……だから、結婚して子供も産まれて幸せになってて良かった。

この小説は多様性に溢れている百合小説だったと思いました。
女の子2人は現状の法律では結婚はできないけど、運命の2人であり、両想いであり、生涯を共にして欲しいな!!と思いました!!

 

ご興味持たれた方は是非、ご覧になってみてはいかがでしょうか?

読了してから、綿矢りさ先生にインタビューされている記事もあるので、こちらも読むとより、作品を楽しめると思います!!

www.bookbang.jp

以上、『生のみ生のままで』の感想でした!!